2009/10/24 |
国際シンポジウム「ヒト由来物質をめぐる法的課題」 |
【時間】13:00〜20:30(12:30より受付)
【場所】早稲田大学早稲田キャンパス8号館−B107教室
【主催】GCOE《企業法制と法創造》総合研究所
【共催】・科学技術試験研究委託事業「先端医科学研究に関する倫理的・法的・社会的課題についての調査研究(臨床応用を視野に入れたゲノム研究のELSIに関する調査研究)」
・生命医療・法と倫理研究所
・オセアニア法制研究会
【プログラム】
報告(訳文配付)
1.バーナード・M ・ディケンズ教授(カナダ・トロント大学法学部)
「英米法におけるヒト由来物質の規制(仮)」
2.ヨッヘン・タウピッツ教授(ドイツ・マンハイム大学法学部)
「研究目的によるヒト由来物質の利用―ドイツの法状況(仮)」
3.ジョージ・ムスラーキス 上級講師(ニュージーランド・オークランド大学法学部)
「人体の商品化と臓器の調達――倫理的・社会的・法的課題(仮)」
4.岩志和一郎教授(早稲田大学法学学術院)
「ヒト由来物質をめぐる法的課題―わが国にける議論―」
総合討論(逐次通訳)
【司会】甲斐克則教授(早稲田大学大学院法務研究科)
【コメンテーター】宇都木伸教授(東海大学大学院実務法学研究科)
【通訳】横野恵講師(早稲田大学総合社会科学学術院専任講師)
森本直子講師(関東学院大学法科大学院非常勤講師)
【要旨】
近代社会においては、生物としてのヒトは等しく出生という事実のみをもって権利の主体として位置づけられる。権利主体としての人は、他人がこれを勝手に処分したり、取引の対象とすることはできない。個体としての人の身体から分離された身体の構成部分や、死亡した人の身体(死体)は人格性を失い、処分の対象となりうるとされてきたが、ただ、その処分の目的と内容は、毛髪など一部のものをのぞいて、埋葬のためであったり、廃棄のためであったり、あるいはせいぜい標本としてのためであったりしたにすぎない。しかし、今日、医学、生物学、生命科学など、自然科学および技術の発展が、人の身体やその構成部分を医療や創薬その他の場面で利用する道を切り開き、それら廃棄や埋葬の対象でしかなかった身体構成部分や死体が有する意義を大きく変化させた。
現在、人の身体や身体構成部分は大別して三つの形態で利用されてきている。第一は、輸血や臓器移植など、それら組織や臓器の機能をそのまま利用するものであり、精子や卵子を利用した出産などもこの類型に含まれる。第二は、採取された身体部分を原料とし、それに加工をして利用するものである。医薬品や、場合によって化粧品としても利用されているし、さらに現在大きく話題となっている幹細胞(胚性幹細胞にしても、IPSにしても)を樹立し、再生医療に役立てようというのもこの類型に属するであろう。さらに第三の類型は、人のDNAを採取し、そこから諸種の遺伝的情報を取り出して利用しようとするものである。この分野は、いわゆるヒトゲノム解析計画が完了し、ポストゲノム時代を迎えているわれわれの社会において、今後大きく発展するであろう領域である。
これら諸種の分野とも、その利用の客体はヒト(=人)に由来する物質であるが、その利用の自由度、処分の可能性などについて、法的にそれを正当化する確実な理論形成がなされているわけではない。身体構成部分はいかなる権利の客体か、所有権か、人格権か。その処分は誰が決定できるのか、また取引の対象となるのか。加工された製品、抽出された情報に関する権利は誰にあるのかなど、検討されなければならない問題点は多い。ヒト由来物資の利用は人類の福祉に寄与するところが大きい。そのこと自体は疑いがないが、ことは、近代社会が大きな犠牲の上に掴み取った権利の主体である人そのものにかかわる問題である。
本シンポジウムは、ヒト由来物質に関するドイツ、カナダ、ニュージーランド、そして日本という各国の法状況を理解したうえで、「ヒト由来物質をめぐる法的課題」についての議論を深め、従来の物権理論だけでも、取引法の理論だけでも、あるいは人格権の理論だけでもない、ヒト由来物質に関する法的理論構成を探ろうとするものである。
詳しくはこちらのプログラムをご覧ください
日本語 / English
(逐次通訳有(英語))
【対象】Web上からのご登録は締め切りました。
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2009/10/23 |
「ヒト由来物質をめぐる法的課題」グループ 研究会 |
【時間】16:00〜19:00
【場所】8号館2階会議室
【報告者】
・ヨッヘン・タウピッツ教授(ドイツ・マンハイム大学法学部)
・バーナード・M ・ディケンズ教授(カナダ・トロント大学法学部)
・ジョージ・ムスラーキス 上級講師(ニュージーランド・オークランド大学法学部)
【テーマ】
「ヒト由来物質をめぐる法的課題」
【主催】
早稲田大学GCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所
【対象】対象は、当研究所企画参加者のみです。
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2009/07/21 |
「ヒト由来物質をめぐる法的課題」グループ 講演会 |
【時間】14:00〜16:00
【場所】早稲田大学8号館3階大会議室
【講演者】クリスチャン・シュワルツェネッガー氏(チューリヒ大学法学部教授)
【テーマ】「2007年スイス臓器移植法――法的・実践的パースぺクティブ――」
【主催】
・早稲田大学比較法研究所
【共催】
・早稲田大学GCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所医事法グループ
・科学技術試験研究委託事業「先端医科学研究に関する倫理的・法的・社会的課題についての調査研究(臨床応用を視野に入れたゲノム研究のELSIに関する調査研究)」
(逐次通訳有(ドイツ語))
【対象】事前手続はとくに必要ございません。直接会場へお越しください。
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2009/07/06 |
事前研究会 |
【時間】14:45〜17:00
【場所】9号館2階202教室
【内容】
(1) 日本における近時の臓器移植法改正の動向
(2) スイスにおける「臓器、組織及び細胞の移植に関する連邦法」(2007年臓器移植法)の確認
【対象】対象は、当研究所企画参加者のみです。
【趣旨】7月21日開催予定のGCOE講演会「2007年臓器移植法――法的・実践的パースぺクティブ――」に向けてのグループメンバーによる事前研究会
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2009/04/25 |
「ヒト由来物質をめぐる法的課題」グループ 講演会 |
【時間】12:30〜14:30
【場所】早稲田大学8号館3階大会議室
【報告者】
ヘニング・ロゼナウ氏 (アウグスブルグ大学教授)
【テーマ】
「同意無能力者に対する研究」(Die Forschung an Nicht-Einwilligungsfaehigen )
【主催】
早稲田大学GCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所
早稲田大学比較法研究所
科学技術試験研究委託事業「先端医科学研究に関する倫理的・法的・社会的課題についての調査研究(臨床応用を視野に入れたゲノム研究のELSIに関する調査研究)」
【懇親会】
15時より西北の風(時間、場所とも予定)
【対象】事前手続はとくに必要ございません。直接会場へお越しください。
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2009/04/24 |
「ヒト由来物質をめぐる法的課題」グループ 講演会 |
【時間】16:30〜18:30
【場所】早稲田大学8号館2階会議室
【報告者】
ヘニング・ロゼナウ氏(アウグスブルグ大学教授)
【テーマ】
「胚の地位と幹細胞研究」(Der Status des Embryos und die Stammzellforschung)
【主催】
早稲田大学GCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所
科学技術試験研究委託事業「先端医科学研究に関する倫理的・法的・社会的課題についての調査研究(臨床応用を視野に入れたゲノム研究のELSIに関する調査研究)」
【懇親会】
19時より楠亭(時間、場所とも予定)
(逐次通訳有(ドイツ語))
【対象】対象は、当研究所企画参加者のみです。
研究者、院生、学部生の参加を歓迎します。
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