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早稲田GCOE・アジア資本市場協議会(CMAA)・国際資本市場協会(ICMA)共催
ワークショップ:金融危機後のより良い金融資本市場の規制体制のあり方を求めて


(2009年9月29日開催)


 2009年9月28日の午後に、ロンドンにおいて、早稲田GCOE・CMAA・ICMA共催の主題のワークショップが開催されました。参加者は、早稲田大学GCOE、韓国銀行エコノミスト、韓国ヨンセイ大学、アジア開発銀行、欧州の自主規制団体であるICMA、バンクオブイングランドの資本市場法委員会事務局、ロンドンの有力ビジネス法務事務所の法律家、ロンドン駐在の、日本大使館経済公使と日本銀行スタッフ、韓国の金融監督院ロンドン事務所スタッフ、日系金融機関メンバーが参加し、非公開で、濃密な議論が行われました。
 これは、2009年1月27日に開催された早稲田GCOE主催の「国際資本市場の自主規制に関するロンドン・フォーラム」に引き続いて行われたものです。

 本ワークショップでは、早稲田GCOE主催で2009年7月10日にソウルで行われた「日・中・韓3ヶ国の資本市場法規制フォーラム −アジア域内資本市場法規制・監督と自主規制の方向性に関する日・中・韓フォーラム」の結論を踏まえて、早稲田大学犬飼重仁教授、アジア開発銀行山寺智氏、韓国銀行Hyun Suk氏より、最近の日本とアジアにおける金融危機後の規制体制に関する議論を紹介し、そのうえで、英国と欧州の金融資本規制のあり方と規制改革の方向性に関する自由な討議を行いました。
 英国における金融規制監督のあり方に関してのFSA(金融サービス機構)とBOEの間での論争、韓国における同様の議論、日本における日銀考査の役割なども取り上げられ、特にアジアにおいては、共通の原則を持ちつつも、実質本位でその地域の特性・文化・伝統などと親和的な、より良い金融資本市場の規制監督と自主規制システムのあり方を見出すことの重要性が語られました。

 また、在ロンドンの出席者からは、2007-2008年の金融危機後の、2009年後半の英国のシティを中心とする金融資本市場の順調な回復ぶりを背景とする、市場の運営と市場の復活・再成長についての確たる自信が表明されたことは、日本では知ることができない新たな収穫でした。
 更に、その後の欧州大陸での関係者によるヒアリングの成果等も含め、英国規制と欧州規制改革の関係についての相互理解の促進も浮き彫りになりました。即ち、ロンドンで聞かれた自信と呼応するような、欧州における今後の規制監督に関する合意形成に関する自信も確認されました。突き詰めれば、EU27カ国で合意できないものはグローバルでも合意できないとの、規制についてのスタンダードセッターとしての自信が垣間見られ、米国以上に欧州の動向に注意が必要と思われます。欧州では、個別の規制についてそれほど大きなものを考えているわけではなく、それよりも監督体制とマクロプルーデンスのあり方の見直しが最も重視されているようです。ただその実効性については、EU27カ国全体で何ができるのか今後の検討次第ではあるが、5年もすれば枠組みに合わせて実効的な議論ができるはずという楽観主義を前提とした政策形成の基本があるようです。
 ユーロ形成以降の欧州各国相互間の理解の深まりに対する実績とシティの復活に裏付けられた欧州内の自信の深まりが感じられました。






(取材レポート:犬飼重仁)




 

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