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2008年11月16日の北京金融会議の翌日17日(月)に、早稲田大学GCOE所長上村達男教授を団長とする一行は、北京市金融街にある中国証券監督委員会(CSRC)を訪問した。 CSRCの会議室で、法律部の幹部他の面々と、午前10:00から一時間半にわたり会談を行った。 会談は、友好的な雰囲気の中、双方のメンバー紹介から始まり、CSRCとGCOEの協定に基づく今後の交流の進め方についても、話し合いが行われた。 会談の具体的な内容: 1.CSRCと早稲田大学GCOEとの交流の継続について CSRCは、中国の法整備作業に対して誠意をもって実質的な交流と支援を行っている上村達男教授以下GCOEのメンバーに感謝の意を示した。またCSRC側はこれまでの両者の交流の過程を振り返り、今回の日本側のメンバー含め、毎回日本から一流の学者・実務家の方たちを招いて、中国側によい経験と助言を行っている上村達男教授の貢献を高く評価した。今後も引き続き、両国及びアジアの資本市場において生じるホットな問題を討議の対象として、交流を更に深めていきたいと希望した。 2.法規の翻訳について 現在、世界的金融危機への対応策の一環として、CSRCの法律部は、主に監督管理法規の研究に重点を置いており、各国法規の翻訳作業を進めていることを紹介した。金融商品取引法を中心とする日本の金融関係法規については、GCOEに翻訳を依頼したいこと、そして法規について権威あるコメント(上村教授・松尾東大客員教授(金融長よりの出向))を添付することを要望した。その作業の第一段階として、まず今年度中に「金融商品販売法」に関する翻訳作業を開始することを合意し、今後の全体の企画については更に話し合いを進めることにした。 3.若手研究者の交流について 上村教授より、米国のみに学び、米国ばかりみてきた中国の若手研究者に潜む潜在的な危険性について指摘がなされた。CSRC側からも、これから中国を背負うもっと多くの若手学者・政府関係者に、巨大なバブルを経験し、バブル崩壊後、必要な法整備作業を進めてきた日本の経験をもっと見習ってほしいと考えているとの、上村教授と同様な感想が披瀝された。 それらの会談の結果を受けて、CSRCと早稲田GCOEの交流の一環として、今後は、若手研究者を日本に派遣するプログラムを進めていく方向性について双方が合意し、そのための具体的な検討を始めることとなった。 会談参加者: 日本側: 上村達男 早稲田大学 法学学術院院長・法学部長、GCOE総合研究所所長 犬飼重仁 早稲田大学 法学学術院 教授 松尾直彦 東京大学 大学院 法学政治学研究科 客員教授 (金融庁よりの出向) 玉木伸介 預金保険機構参与 内山昌秋 トレードウィン(株)代表取締役、SBIネットシステムズ(株)代表取締役 関根栄一 (株)野村資本市場研究所 研究部主任研究員 玄奭(Hyun Suk) 国際協力銀行(JBIC)アジア大洋州ファィナンス部 Bond Market Specialist 工藤克典 野村證券(株) 顧問 金セイ 早稲田大学 博士課程院生 陳景善(Chen jing shan) 中国政法大学 准教授・早稲田大学GCOE客員研究員 中国側:CSRC 法律部 副巡視員 ― 胡宝海 (Hu Baohai Ph.D.) Government lawyer, Deputy Director, Department of Legal Affairs 法律部 法規処処長 ― 呉国舫 (Wu Guofang) Division Director, Department of Legal Affairs 法律部 総合処副処長 ― 林麗霞 (Lixia(Lisa) LIN) Deputy Branch Chief, Department of Legal Affairs 法律部 ― 劉偉(Liu Wei) Department of Legal Affairs
(レポート作成者:犬飼重仁・陳景善)
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