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日・中 国際学術討論会 『金融危機対応・アジア金融市場の新秩序の構築』 開催報告 2008年11月16日開催
2008年11月16日日曜日、早稲田大学グローバルCOE《企業法制と法創造》総合研究所では、北京において、中国社会科学院日本研究所・中国国家発展改革委員会・アジア資本市場協議会との共催で、北京金融会議(国際学術討論会)を開催した。 この会議は、米国発金融危機後のアジアと中国の金融資本市場システムの改革のために、日本の経験と知恵を、11月中旬のタイミングで是非中国の研究者と政策立案者に伝えてほしいとの中国社会科学院よりの強い要請に応じ、もともとの12月開催予定を繰り上げて、急きょ実施されたものである。
会議は日曜の朝の8時半から18時まで、北京東城區建国門内大街の社会科学院の国際会議場で行われた。 中国社会科学院日本研究所長に新しく就任した李薇所長(左)と早稲田大学グローバルCOE≪企業法制と法創造≫総合研究所上村達男所長(右)の挨拶を始めとして、大変活発にテーマ毎に日中の市場専門家や研究者による発表と討論が行われた。
【参加者】 日本側関係者としては、早稲田大学をはじめとする日本側代表団のメンバーに加えて、在中国日本大使館より複数の公使、参事官ほかの参加もあり、また東京証券取引所の北京事務所首席代表、国際協力銀行北京事務所首席代表、日銀北京事務所代表、東京大学北京事務所長等の関係者の参加を頂いて、非常に厚みのある会議となった。 日本側と中国側の専門家が、上記の4つのテーマに沿って交互にスピーチを行ったことで、それぞれの考え方や興味のポイントについて参加者の間に共通の理解がもたらされた。そしてそれらを参加者の共通基盤として、会議の後半では、日中双方によって、非常に熱心な自由討議が長時間行われた。「非常に実質的で有意義な発表と討議とが、中日両国の専門家・研究者・政府関係者の間でなされたことは、この種の会議ではこれまであまり例がなかった。今回の会議は過去の慣例を打ち破る非常に有意義な会議だった」との中国側の総括に出席者全員が賛同した。 【討議結果総括】 討議結果の総括としては、中国とアジアの中長期的な金融資本市場の発展のために、両国の共通の市場基盤の一部となるべき金融資本市場の市場インフラ構築の重要性が参加者全員の間で強く認識された。 中でも、預金保険制度をはじめとするセイフティネットの制度構築や、個人投資家保護と金融分野のシステミックリスクを回避するための金融オンブズマン制度の必要性、またアジア独自のプロの市場利用者のためのクロスボーダー資本市場の構築の必要性など、日中両国とアジアの金融資本市場にとっての重要な知見を、日中の専門家の間で共有した会議であったといえよう。 【成果の党中央への報告】 なお、この会議の成果は、会議終了後早々に、中国社会科学院によって中国共産党中央委員会に報告された。12月中旬に中国社会科学院から頂いた報告によれば、その結果として、2008年12月13日に福岡県太宰府市の九州国立博物館で開催された日中韓三国首脳会談では、中国側がアジア債券市場を構築することに対して積極的な意見を発表した。また、中国国内金融市場構築に対して、日本側の専門家の意見(3点:預金保険制度、金融オンブズマン、アジア共通資本市場)をはじめとする会議の内容が、党中央にとても重視されたとのことである。 【中国社会科学院よりの謝意の表明】 中国社会科学院からは、「日本から来ていただいた先生方のおかげさまで、「中央金融工作会議」と「三国首脳会談」の前にこの会議の報告書を最高機関の机の上に置くことができました。ありがとうございました。」と、改めて感謝の意が表明された。 (取材レポート:犬飼重仁・陳景善)
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